本稿では、再開発プランナー試験の概要について説明しています。説明内容には、試験~登録までの大まかな流れ、筆記試験の概要、実務経験審査の概要などが含まれます。
なお、閲覧にあたっては、以下の点にご注意ください。
- 本稿に記載の内容は、過去の実施状況にもとづく標準的な情報(例年どおりなら、このように実施される)となっています。受験をお考えのみなさまにおかれましては、試験内容や実施スケジュール、受験料、申し込み方法、その他の詳細につき、必ず再開発コーディネーター協会の公式サイトで最新の情報をご確認ください。
- スマートフォンやタブレット端末でご覧の際、図表が見切れている場合は、横にスクロールすることができます。
再開発プランナーとは?
「再開発プランナー」は一般社団法人再開発コーディネーター協会が毎年1回行う再開発プランナー試験に合格し、登録を行った者に与えられる専門技術者としての称号
であり、再開発事業に固有かつ最も重要な計画である事業計画(資金計画)及び権利変換計画等をはじめ都市再開発事業の企画、調整等に係る一定の知識及び技術を備えた専門家
とされている。
以下、ここでは、再開発プランナー試験の大まかな内容について紹介する。公式Webサイトの資格概要や試験案内にはより詳しい情報が載っているので、そちらも参照されたい。
【参照】- 再開発プランナー. 一般社団法人 再開発コーディネーター協会. https://www.urca.or.jp/planner/about.html.
- 再開発プランナー試験案内. 一般社団法人 再開発コーディネーター協会. https://www.urca.or.jp/planner/test_all.html.
再開発プランナー試験の大まかな流れ
再開発プランナー試験には、大きく分けて、〔1〕筆記試験と〔2〕実務経験審査の2段階があり、筆記試験には、〔1-1〕学科試験と〔1-2〕実技試験、実務経験審査には、〔2-1〕書類審査と〔2-2〕面接審査がある。
大まかな流れとしては、まず、筆記試験の受験申込み(6月初旬~中旬頃まで)を行い、筆記試験(8月の最終日曜日)を受験する。その後、筆記試験の合格発表(10月初旬)があり、筆記試験の合格者には、合格通知書と共に、実務経験審査の案内が届く。実務経験審査を希望する場合には、審査の申込み(10月初旬~末頃まで)をして、所定の様式で審査書類を作成し、提出する。
続いて、協会が書類の内容を確認し、所定の実務経験を有すると判断された場合には、面接審査を免除する旨の(メール)通知が届き、事実上の合格となる(書類の内容だけでは上記の判断できない場合には、12月頃に面接審査が行われる)。最後に、1月の下旬頃に実務経験審査の正式な合格発表があり、2月初旬に再開発プランナー登録証が交付される。
表 1 試験スケジュール筆記試験の概要
受験資格
筆記試験の受験資格は、筆記試験を受ける年の4月1日現在満20歳以上であること
であり、これ以外に必要なものはないので、基本的に誰でも受験することができる* 1。
| * 1 | 後述するように、実務経験審査の合格には所定の実務経験が必要になるが、再開発プランナー試験は、筆記試験合格日から最長で3年間、筆記試験の合格者としての身分が保持される(そのほか、『技術維持講習』についても参照)。そのため、筆記試験合格後に実務経験を積み、所定の基準を満たした段階で実務経験審査を受けることが可能になっている。 |
|---|
受験申し込み方法
筆記試験に申し込むにあたり、まず、再開発コーディネーター協会から「筆記試験受験案内書」を購入し、同封されている受験料の払込用紙を入手する必要がある。その後、所定の期間内にオンライン申し込みを行う。詳細や具体的なスケジュールについては、公式サイトを確認されたい。
受験手数料
22,000円(消費税含む)
試験日・受験地など
筆記試験は、例年、「8月の最終日曜日」に実施される。受験地は、東京(東京都区内)、大阪(大阪市内)の2地区のうち、受験者の希望する地区
とされており、これ以外の選択肢はない。試験日のスケジュール(試験時間)は、以下に示す通りであり、ほぼ1日がかりの長丁場の試験となる。
| 区分 | 時間 |
|---|---|
| 学科試験 | 10:00~12:00(2時間) |
| 休憩 | 12:00~13:30(1時間30分) |
| 実技試験 | 13:30~16:30(3時間) |
試験科目・出題範囲
先述したように、筆記試験は、〔1〕学科試験と〔2〕実技試験から構成されている。学科試験は、宅建試験などと同様の形式で、再開発事業やマンション建替え事業に関連する法令(都市再開発法、都市計画法、建築基準法、区分所有法、借地借家法、不動産鑑定評価基準など)の知識をマークシート方式で問うものとなっている。
いっぽう、実技試験は、年度別資金計画や権利変換計画などに関する技術を測るものとなっており、主に計算問題や穴埋め選択式の問題から構成されている(こちらは、一部記述式を含むマークシート方式)。具体的な試験科目や出題範囲の概要は、以下に示すようなものとなっている(別のページでより詳細な分析を行っているので、そちらも参照されたい)。
表 2 試験科目・出題範囲合格基準と学科試験の実施データ
筆記試験は、学科試験と実技試験がそれぞれ100点満点で採点され、①学科試験と実技試験のそれぞれで科目基準点(いわゆる足切りライン)以上、かつ②学科と実技の合計点が合格基準点以上の2つの条件を満たした者が合格となる。
表 3などに示すように、科目基準点はほぼ固定されているが、合格基準点はその年ごとに変動し、概ね30%程度の合格率となるように決定されているものと思われる(これをいいかえれば、再開発プランナー試験は、相対評価式の試験であり、概ね上位30%以内に入る必要がある試験と言える)。
表 3 実施状況 図 1 受験者数と合格率の推移 図 2 合格基準点の推移実務経験審査の概要
受験資格
実務経験審査の受験資格は、「筆記試験の合格者」となっている。
審査申し込み方法
筆記試験の合格者には、合格通知書と共に実務経験審査の案内が届くので、希望する審査のタイミング(①今年、②1年後、②2年後)を記入して返信する。
登録手数料
16,500円(消費税含む)
審査項目
実務経験審査は、先述したように、〔1〕書類審査と〔2〕面接審査から構成されているが、書類審査により実務経験を有すると認められた場合は、面接審査が免除される(実務経験審査については、合格率等のデータが残されていないので推測にはなるが、おそらくほとんどの受験者が面接を免除されているのではないかと思われる)。
合格基準
実務経験審査に合格するためには、「関連業務に関する業務経験が通算して3年以上あること」が必要であり、①実務経験申告書、および、②実務経験レポートにより、基準を満たしているかの確認を行う。なお、公式サイトによれば、実務経験の定義は以下のようになっており、必ずしも再開発事業に関連する業務であることを要しない。
実務経験とは、都市再開発法に基づく市街地再開発事業等に限定されず、広く都市の環境形成につながる土地や建物に係わる事業の企画、調査、計画、設計、工事、権利調整、資金調達、販売、管理運営等の業務に携わったことをいいます。また、上記業務に係わる行政経験、大学等における大学卒業後の研究活動も実務経験の審査の対象とします。
また、雇用形態(正規・非正規)についても特に指定はないので、アルバイトでの経験も含めることができる(実際、筆者はアルバイト期間を含めて審査書類を作成し、面接免除のうえで合格した)。
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